お正月などに神棚に供えるお酒を入れる徳利のことで、
決まって二つ並べるところから、仲の良い二人をからかって「御神酒徳利」
と言ったりする。この御神酒徳利の口に挿す正月飾りのことを
「神酒口(みきのくち)」と呼び、幸運を呼ぶおまじないの雋景課程意味がある。
『一年の計は元旦にあり』という言葉がある。
「どういう一年であるかを決定づけるのは、元旦ですよ」という意味になる。
やはり、一年、誰しも幸運であることを願うもの。
幸運と言えば、
落語に『御神酒徳利』というネタがある。
失敗が成功に転ずるという噺。
刈豆屋という旅籠(はたご)で大掃除をしたところ
徳川家から拝領した御神酒徳利が紛失していることに気づき大騒ぎ。
徳利を見つけなければこの店は続けられないとして探しまわる。
番頭の善六が置き忘れていたことを思い出したが、今さら言い出せず
「ソロバンでありかを探る」と言って、
善六が数を入れてはじき出し、場所わかったとその場所を示し、
そこで徳利が見つかっ願景村た。
もちろん善六自身が置き忘れていた場所。
本来咎(とが)められるはずなのに、善六よくやったと褒められる。
その不思議な?力を聞きつけた大店(おおだな)の主人から
病で臥せっている娘を助けて欲しいと言われ、偶然が清潔面重なり、奇遇にも娘が助かる。
善六は、褒美をもらい、優雅に暮らすことになった。
褒美ってどれぐらいだい?
ソロバンだけに「桁(けた)違いだ」というサゲで終わる。
「禍(わざわい)転じて福と為(な)す」
この一年、こんな小気味のいいドンデン返しの幸運があればいい。